成約事例

IPOを目指して新規事業を立ち上げ

株式会社アントレ 代表取締役 上田 隆志 様 インタビュー:2023年2月

事業を買収しようと思った背景・目的は何でしたか?

 弊社は独立・開業に関する支援を行っており、同時に中小企業の課題解決にも力を入れています。数年後にはIPOを目指しており、元来より中小企業の価値貢献に繋がるビジネスパートナーを探しておりました。その中で、中小企業をターゲットとしてPR事業を行っている会社様の情報が目に留まり、問合せをしたことがきっかけでした。

 当初は、PR事業との連携を想定していたわけではなかったのですが、自社との相乗効果が期待出来る可能性があり、非常に魅力的な事業内容だったので、買収や業務提携を検討することにいたしました。

 結果、今回は買収ではなく業務提携を選択する事になりましたが、対象会社様と切磋琢磨して新たなサービス提供ができたらと思っています。

将来的なIPOに向け、PR事業とのシナジー効果について期待することは何ですか?

 多くの中小企業は、「自社の宣伝が出来ない、予算もかけられない」という悩みを抱えています。これに対し、手数料のハードルが低い「成功報酬型のPRサービス」が、課題解決に繋がると確信しました。

 ネクストステップとしては、PRを通じて中小企業の経営や事業の課題解決に貢献できることも期待できるため、事業成長に向けたフック商材と位置付けて、従来の自社の強みと融合させていくことに期待しています。

株主(ファンド)に対する説明や交渉で苦労はありましたか?

 今回は買収ではなかったため、説明コストは大幅に減りました。本来であれば、ファンド側のM&A投資基準やプロセスを踏む必要があるため、多くの時間やコストがかかります。

 投資委員会経由でデューデリジェンスも実施することを考えると、かなりの労力を費やす必要がありましたが、その点、今回はこれらを回避できました。

 今後、もし対象会社の株式を取得することになった場合にも、実績があればファンドに対する説得もしやすくなるなど、中期的な効果も視野に入れており、苦労はありませんでした。

今後の中長期的な展望を教えてください。

 弊社はこれまで、中小企業(主に小規模)の起業支援や課題解決を軸に事業展開を行ってきました。しかし、今も中小企業の課題は山積しており、顧客満足度を高められる更なるサービス開発を続けていくことが必要です。

 今回提携したPR会社のノウハウを活用して、中小企業との取引数を強化していきます。新規取引社数が増加すれば、さらなる付随サービスの提供や単価アップも期待できます。そのためにも、先ずはPRサービスをご活用頂ける中小企業の数を増やすことが目標です。

 今後も、本業務を大切にしながら、独立・起業を目指される皆様を成功に導くことができるよう、事業拡大を実現させる方針です。

M&Aに取り組む方へアドバイスをお願いします

 実際の交渉にあたる上での心構えや注意点、気を付けている点としては、取り繕うことや建前で話すのではなく、忌憚なく本音で相手方と向き合うことを意識しています。その上で双方の人柄や本音を理解し合っていくことが大切です。

 また、概要書やQ&Aだけでは対象ビジネスの本質は掴めません。なるべくその企業や経営者と実際にお会いすることが大切です。次に、シナジー効果の確認は必ず行わなければなりません。どんなに優良企業であっても、自社との買収・提携後のシナジーが描けなければ、成功は望めないと考えています。

 最後に、経営者様との相性も最も大切です。例えビジネス面でのシナジーが見込めたとしても、経営者と価値観が合わずに信頼関係が築けなければ、統合や成長を実現できないと考えています。

 

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